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決 議

第46回定期総会決議
  4年目を迎える新型コロナウイルス感染症は終息の気配はいまだ見られず、1年に及ぶウクライナ危機も休戦・停戦の動きは見られない。岸田内閣発足から1年半が経過したが、自民党・公明党政権の新自由主義政策に変化は見られず、異常円安・ウクライナ情勢による原材料の高騰に伴う物価高により国民生活はますます困窮化している。昨年7月には、参議院選挙が行われ、投票日直前に宗教問題に起因する安倍元首相の街頭殺害事件が発生し、自民党・公明党連立政権が安定多数で勝利した。
 骨太の方針2022において、社会保障分野における経済・財政の一体改革の強化・推進のもと医療と介護の自助・共助を推進し、国の負担を軽くしようとしている。一方的な「かかりつけ医」制度の推進があり、医療・社会保障の充実に踏み込まないばかりか、コロナ禍、物価高の中、10月からの後期高齢者医療における窓口一部自己負担金の2割化が一部の対象者になされ、後期高齢者の保険料引き上げ、介護保険利用者負担の引き上げ、給付削減などが計画されている。
 今、最も大きな課題は、マイナンバーカードを用いたオンライン資格確認義務化である。昨年10月には健康保険証を廃止し、強制的にマイナンバーカードに保険証機能を付与し、すべての医療機関にオンライン資格確認を義務化した。任意であるはずのマイナンバーカード取得の実質義務化でもある。現在、関連機器の不足、カルテ・診療報酬システムの改修、猶予対象・期間も限定的であり、高齢医師・歯科医師等の医療機関においては、廃業も視野に入れなければならない程深刻な問題である。オンライン資格確認の運用は、2023年からになっているが、これまでの経過から到底実施できる状態にはなっていない。
 2023年度予算では、薬価引き下げ等で医療・社会保障の自然増を4100億円に抑制する一方、敵基地攻撃能力の保有を盛り込んだ安保3文書を閣議決定し、2023年度から5年間で防衛費総額を現在の1.5倍にあたる43兆円に引き上げ、選挙・国会審議無しで歳費削減、諸税の増税で確保としている。
 私たちは、保険医の生活と権利を守り、国民の医療・社会保障の充実・発展に力を尽くすために、下記の項目の実現に向け全力で取り組む決意である。


 

一 、オンライン資格確認義務化、保険証廃止を撤回し、オンライン資格確認義務化の経過措置を抜本的に改善すること。

一 、75歳以上の医療費窓口負担を1割に戻し、保険料引き上げを中止すること。

一 、新型コロナ克服に向け、平時から余力のある医療提供体制を確保すること。

一 、新型コロナ等感染症の2類相当から5類への見直しは、国民の健康・生活に配慮し、医療機関の混乱を防ぎ医療提供体制を確保すること。

一 、医薬品の供給不安定の解消に向け、国は抜本的な対策を講ずること。

一 、円安・ウクライナ危機等による、輸入製品・原材料の価格高による物価の高騰に対し、国民の生活を守るとともに、医療機関の経営基盤を揺るがす、光熱費・雑費等の財政的補填を行うこと。

一 、国際紛争を誘発する恐れのある、敵基地攻撃能力の保有を盛り込んだ安保3文書の閣議決定を取り消し、国防予算の大幅増額を見直すこと。

一 、ロシアはウクライナ侵攻をやめ、早期撤収し、NATO諸国は武器貸与ではなく、国連憲章を遵守し停戦に向けて交渉を行うこと。以上決議する。


 以上決議する。

2023年2月23日

岐阜県保険医協会 第46回定期総会