現政府は、診療報酬の抑制だけでなく年金削減、生活保護基準切り下げなど社会保障費の伸びを減らすのに相変わらずご執心である。一方で、企業へは3%賃上げなど聞こえの良いことを言って企業減税をすすめようとしている。これでは、どんなに消費税を上げても国民は疲弊し地域医療の崩壊に歯止めをかけることは出来ない。
企業負担を元に戻し、国民の生存権としての社会保障を充実し、最良の医療が提供できるよう医療費の抑制策を見直すべきである。75歳以上の高齢者の窓口負担原則2割化が画策されているが、年金の減額もあり、老齢破産が頻発する恐れがある。
昨年のICANのノーベル平和賞受賞など核兵器廃絶の流れに逆行し、日本政府は核兵器禁止条約を批准しようとしない。「ヒバクシャ」は日本語であり唯一の被爆国として122の国と地域が賛成した条約の協議にさえ不参加とは情けない状態である。
原発問題も、高速増殖原型炉もんじゅの計画破綻で我々が刷り込まれてきたバラ色の未来はなくなった。早急に核の最終処分法を確立し順次廃炉ができるようにし、再生可能エネルギーを推進すべきである。
現在の社会保障費削減と防衛費拡大の政策のもと、医療の国民負担増及び受診抑制を引き起こし、地域医療の危機を招いている。社会保障の充実は、平和主義、基本的人権の尊重、国民主権を基調とする現憲法のもとで実現され得るものである。
我々医師・歯科医師は、現状を打破し国民皆保険を守り地域医療の充実をはかるとともに第一線医療の担い手として社会保障充実に向け下記の項目に全力で取り組む決意である。
記
一、医療・介護の一体改革による制度改悪を中止し、患者負担軽減をはかること。
一、良質な医療提供のため、診療報酬の10%以上の引き上げを行うこと。
一、企業減税を見直し消費税増税を中止すること。医療にはゼロ税率を適用し損税の解消をはかること。
一、医師・歯科医師の裁量権を尊重し、指導、監査は行政手続法に則って行うこと。
一、核兵器禁止条約を批准すること。
一、原発の廃炉に向けた流れを確立し、再生可能エネルギーを推進すること。
一、現憲法を守り平和主義、基本的人権の尊重、国民主権の原則を推進すること。
以上決議する。
2018年2月25日
岐阜県保険医協会 第41回定期総会
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