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保険医新聞11月号主張

「クイズで考える私たちの医療2020」にご協力ください
 コロナ禍に揺れた2020年。平成日本が推進してきた「医療費抑制政策」の様々な弊害が随所で噴出し、改めて問題の奥深さを考えさせられた、そんな1年間でありました。「診療報酬改悪による余裕のない病院経営、働き方改革により残業時間を減らそうという環境下でも続く「医師数抑制」政策、タイトな病床稼働を余儀なくされる病院の「統廃合問題。とりわけ深刻なのが、「増え続ける患者負担」で困窮し、必要な医療にすらアクセスできない患者さん達です。

 社会全体を見渡せば、昨年10月の消費税増税により一層悪化した経済、そして「自助」を声高に叫ぶ新政権の誕生。日々の診療の中で感じる「民意」とは裏腹に、推し進められる様々な「新自由主義」政策。患者さんと我々を取り巻く環境は年々、悪化の一途。しかし我々保険医協会、保団連は黙ってはおりません。毎年、様々な形で署名運動や請願活動を行い、こうした悪しき潮流に抗い、患者さんと保険医を守るべく奮闘して参りました。

 本年、当協会は「患者負担を増やさないことを求める請願」(通称「みんなでストップ!患者負担増署名」)に取り組んでおります。引き続き署名は年末まで集めて参りますが、既に多数の先生方からご協力いただいております。協会より心から御礼申し上げます。しかしまだまだ、より多くの声を国会の場に届け、私たちが目指す医療の姿を現実のものとしていかねばなりません。そのために今回、その署名運動と並行して行われますのが、「クイズで考える私たちの医療2020」(通称「クイズチラシ」)キャンペーンです。

 75歳以上での原則1割から2割への窓口負担増、受診時定額負担の開始、シップや漢方薬の保険外し。国はさらなる社会保障の給付抑制、患者負担増を計画しています。そして患者さんや先生方の中にはまだ、こうした制度改悪や負担増政策の実態をご存じない方もおられるように思われます。このクイズチラシはそうした方々に「医療問題」を少しでも身近に感じていただくため、作成されたものであります。景品にも力が入っております。ぜひご覧頂き、ご参加頂きたく存じます。

 先生方の御一筆は大きな力でありますとともに、さらにそれを大きな力と変えていくべく、患者さんにこの「クイズチラシ」をお勧めいただきたく思います。署名の力は決して小さくありません。そして政治は我々の「一筆」で変えていけるものであります。今後も末永く、先生方のお力添えを賜りたく存じます。

(2020-11)